善光寺デビュー
7年に一度のご開帳に合わせて、初めて善光寺に行ってきたよ。土日で。
当初はいろいろ予定が立て込みそうな雰囲気で、行けなそうかも、7年後かなー、と話していたけれど、あれ?7年前もそう言ってた気がする、と思い出して、まず、「行くこと」に決めてみました。
案の定、あとから予定が3、4個入ってきたけれど、「行くこと」にしたおかげで、行ってこれました。
実は、行く前は、そんなに良いのかな、みんながそう言ってるだけで、7年に一回という希少感で客寄せしてるだけでは、と穿った見方も少ししてました。
じゃらんとか楽天トラベルとかでは善光寺周辺の宿は軒並み空いてないか、興味の惹かれないところばかりで、Airbnbで良さげなところ見つけたけど、善光寺から離れているしで、ご縁がなかったのかなー、と思ってた。
そんな時、宿坊協会というのがあることを知り、ほとんどの宿坊はじゃらんや楽天トラベルにも載っていないことがわかった。
昔ながらの電話での問い合わせしかない、という手段に、ひねくれ者の自分は俄然やる気になったというわけ。
案内されたのは尊勝院さん。
行ってみて、宿坊の方から聞いて知ったけれど、昔この宿坊は多摩3県から来た方の宿泊先だったそうな。
昔は伊勢や善光寺にお参り行くのも命懸け。何人も行くお金も体力もないから、村を代表して体力や信仰心のある人が2、3人で行ったそうな。
代表してるということはお金を持っているということだから、盗賊や山賊は山の中で、旅人の体力が一番減ってそうな時に襲うんだと。なので命懸け。
しかも、昔は伝達手段がないから、もし万が一村に何かあって、すぐに連絡しなきゃ行けない、という時に、誰がどこに泊まってるかわからないと連絡の取りようがないから、宿坊ごとに、どこの県から来た人が泊まる、というが自然と決まっていったとのこと。そうすれば、〇〇から来た、って言えば、じゃあ△△院に行け、となって遭遇できるからね。
ちなみに尊勝院は、HPで調べると、「そんしょういん」と「そんじょういん」と両方出てくるけれど、正式な呼び名は「そんしょういん」。「損傷」を類推できてしまうからと、周りの方たちが慮って「そんじょういん」と呼ぶこともあるため、2種類の呼び方が存在してるみたい。
さて、長野駅について、善光寺近くの尊勝院に向かおうとしていたら、信じられないくらいの大雨が降ってきたよ。ちょうど、十念寺というところを見学中で、軒下で止むのを待ってたけど、30分以上、お天気アプリで真っ赤な状態で、しかも全然雨雲が移動しなかったし、雹まで降り始めてた。(初めて雹と遭遇して、最初は面白がってた)
タクシーに電話するも一時間待ちだし、ちょっと雨脚が弱まった隙に雨傘を購入するも、またもや強い雨。。。
近くにソフトクリームのマークが見えたので、どうせ雨宿りするなら楽しく雨宿りしよう、と入ってみました。明治から続くお茶の専門店のソフトクリームで、大当たりすぎる美味しさ!(ほうじ茶と抹茶の組み合わせにしました。お茶の味をしっかり感じることができる!)
しかも、店内には、山岡鉄舟直筆の看板や書物も飾ってあって、お店の人から、そのことで新聞に載った記事があるからコピーあげるわ、ともらっていろいろ話を聞けた。創業からのことやB29爆撃のことや、近くに石油が湧き出る場所がある話など、なんとも貴重な話を伺うことができました。

一通り話を聞き終わったら、雨脚が弱まったので、その中をやっと宿坊に。
2日目の朝は3時15分に起きて「お朝事(おあさじ)」に参加。日の出から1時間後に始まる決まりのようで、この日の開始は5時29分。
コロナ対策で、ご本尊に比較的近い内陣という場所は人数制限しているため、5時台だと入れない可能性があり、4時には着いていた方が良いという宿坊の判断。宿坊に泊まらなかったら、まさに5時ギリギリに行って入れなかったパターンだったのではと思う。ちなみに、5時15分くらいには入れなくなり、7時には一旦参拝券自体の販売がストップするという混雑ぶり。


行って知ったけど、2日目である6月12日(日)は、「ながの祇園祭」で賑わう日だったのです。長野駅から善光寺までの参道沿いに6つの会所があって、そこから順次、御祭礼屋台が巡行していくというものでした。
戻って、「お朝事」は、天台宗が30分、浄土宗が30分、宗派は違えど仲良く場をシェアして読経するという流れでした。天台宗の読経中に左側、秘仏であるご本尊の宮殿が見れるようお戸帳が上がりました。あいにく真ん中の柱で自分はあまり見れず。。。その後、右側の前立本尊のお戸帳が上がり、秘仏の身代わりとして全く同じに作られたご本尊を拝見することができました。
天台宗の読経が終わったあと、約半数くらいの方は、それぞれ宿坊の案内人に促されてお戒壇巡りに。本来、地下は暗闇になっていて、進んでいくと秘仏の真下に極楽の錠前があり、それを探り当てることで結縁するというもの。コロナ対策で、くっつきすぎないよう、ほのかに明かりが置いてあったのが少し残念。けど、錠前はしっかり握ってきました!
そして、これも宿坊パワーで、祈祷したい内容を前日のうちに宿坊を通して申し込んでおいたので、内々陣という、お坊さんたちが読経していた一般の参拝者は入れない場所に通して頂きました。そこでも30秒ほどお戸帳が上がり、秘仏の宮殿を見ることができました。妻は目を瞑って願い事していたので見ておらず、娘は見たけど覚えてないというけれど、自分には宮殿ではなく何かの像に見えたのだけど、WEBでも誰にも確認できず。。。不思議です。
その後、帰り際に、前立本尊に1対1でご挨拶。とても近い。(とはいえ8mくらいかな。内陣の最前列でも25mくらいかと目算)

あまりWEBでもチラシでもオススメされていなかったけれど、大勧進の宝物殿と無量寿殿に行ってみました。歴代天皇や弘法大師の自筆のものや、天皇や高僧の所持品など、貴重なものがたくさんありすぎて、いちいち説明書きもないくらいでした。所持品3000点以上に対して、ディスプレイできる数が最大150くらい、というので、どんだけ持て余してるんだー、と感じたね。7年に1度秘仏の身代わりとして本堂に立っている前立本尊さんは、通常、この無量寿殿の奥の特別宝庫に眠っているのだとか。
お戒壇巡りや御朱印帳2時間待ちに対して、宝物殿も無量寿殿も1組くらいしかすれ違わないくらいの独占ぶりでした。通常500円のところ、なぜか無料だったし、お得すぎ!
まとめると、善光寺は、昔からのパワースポットだけあって、仁王門からの善光寺一帯は静かで穏やかな心地よさに満ちてました。仁王門からセントラルスクエアくらいまで下がってきて坂がなくなってくると、徐々に日常の荒い波動に戻ってくる感じ。
なんとも有り難い旅でした🙏